横浜市で相続不動産を売却するなら|相続登記前に確認したい特例と期限
「相続登記が終わってから、不動産会社へ売却の相談をすればよい」と考えるのは自然です。
相続登記後でも、不動産を売却できなくなるわけではありません。
ただし、将来売却する可能性がある不動産では、誰の名義にするか、どのように遺産分割するかを決める前に、税制上の特例と期限、将来の売却まで一度つなげて確認しておいた方がよい場合があります。
誰が取得するのかによって確認すべき税制上の要件が変わることがあります。相続後に住むのか、空き家のままにするのか、売却するのかによっても、その後の選択肢は変わります。
さらに、売却を見越すのであれば、想定価格だけでなく、必要な費用、売却までの期間、売却後の概算手残りも遺産分割を考える材料になります。
この記事でお伝えしたいのは、相続登記を遅らせることではありません。
相続登記や遺産分割を決める前に、将来の売却まで一度つなげて確認することが大切だということです。
相続登記が終わってからでは遅いことがある
相続が発生すると、相続人の確定、遺産分割、相続税の確認、相続登記など、さまざまな手続きを進めることになります。
このとき、不動産について「まず名義を決め、登記が終わってから売却を考えよう」と進めることもあります。
しかし、売却する可能性があるなら、名義を決める前に確認しておきたいことがあります。
たとえば、
誰が取得すると税制上どのような確認が必要になるのか
相続後に居住・賃貸・売却することで、特例の適用可能性に影響することがないか
特例にはどのような期限があるのか
現状で売却した場合、どの程度の価格が考えられるのか
売却にどのような費用や期間を見込むのか
といった点です。
遺産分割や登記を終えた後に初めて確認すると、すでに決めた取得方法や相続後の利用状況を前提に考えなければならないことがあります。
そのため、売却する可能性が少しでもある不動産では、相続手続きと売却を完全に分けずに考えることが重要です。
登記・遺産分割前に「売却する可能性」を確認する
最初に家族で確認したいのは、その不動産を将来どうする可能性があるのかです。
誰かが住み続けるのか。
当面は空き家として維持するのか。
賃貸する可能性があるのか。
売却する可能性があるのか。
まだ結論が出ていなくても構いません。
ただ、「売却する可能性がある」と分かっていれば、遺産分割を考える段階から不動産の価格や売却条件を判断材料にできます。
不動産会社が確認できるのは、主に、
現状で売却した場合の想定価格
仲介や買取などの売却方法
売却までに想定される期間
測量、解体、残置物処分など必要になる可能性のある費用
売却費用を考慮した概算の手残り
引渡しに関する条件
など、売却面の材料です。
これらは、遺産分割や税務上の判断そのものではありません。
しかし、「この不動産を売却するとしたらどうなるか」という材料を持ったうえで、家族や税理士、司法書士と話し合うことには意味があります。
相続不動産の売却を相談する場合は、査定額だけでなく、売却費用や期間、将来の売却を見据えた確認事項まで相談できるかを確認しておくとよいでしょう。
共有・単独取得・代償分割を将来の売却まで含めて考える
遺産分割では、不動産を複数の相続人で共有する方法、一人が単独で取得する方法などがあります。
共有名義は、相続人それぞれが持分を取得する方法です。
一見すると公平に感じることもありますが、不動産全体を将来売却する場合には、原則として共有者全員の意思を合わせて進める必要があります。
売却するかどうかだけでなく、売出価格や価格変更、解体、引渡し条件などについて調整が必要になる可能性があります。
一人が単独で取得すれば、その後の管理や売却を進めやすくなる場合があります。
ただし、他の相続人との公平性や、財産全体の分け方を考えなければなりません。
そこで検討されることがあるのが代償分割です。
代償分割とは、一人の相続人が不動産を取得し、その代わりに他の相続人へ金銭などを渡して調整する方法です。
将来の売却を考えるうえでは、不動産を共有せず一人が取得できることにメリットがある場合もあります。
一方で、代償金をどのように準備するのか、不動産をどのように評価するのか、家族間で合意できるのか、税務上何を確認する必要があるのかなど、検討すべき点があります。
代償分割は、単純な節税策でも万能な方法でもありません。
共有、単独取得、代償分割のどれを検討する場合でも、不動産を実際に売却した場合の価格や費用を把握しておくことが、家族で話し合うための材料になります。
3つの制度は目的・要件・期限が違う
相続不動産では、税制上の特例が関係することがあります。
特に混同しやすいのが、次の3つです。
小規模宅地等の特例
小規模宅地等の特例は、一定の要件を満たす宅地等について、相続税を計算するときの課税価格を減額する制度です。
売却したときの譲渡所得税から3,000万円を控除するような制度ではありません。
対象となる宅地の利用状況や取得する人などによって要件が異なり、相続税の申告期限までの保有や利用が関係する場合もあります。
そのため、「誰が取得するか」を決める前に、適用可能性を税理士へ確認することが重要です。
国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4124.htm
被相続人の居住用財産(空き家)の3,000万円特別控除
一定の相続空き家を売却した場合、要件を満たせば譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。
ただし、対象となる建物や相続後の利用状況、譲渡時期など複数の要件があります。
親が住んでいた家であれば必ず利用できる制度ではありません。
売却期限は、原則として相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までです。ただし、これ以外にも複数の要件があるため、期限だけで適用可否を判断することはできません。
相続後にその家をどのように利用するかが適用可能性に関係する場合もあるため、住む、貸す、売るといった判断をする前に確認しておくことが大切です。
国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm
相続財産を譲渡した場合の取得費加算
相続税を納めた人が、相続した不動産などを一定の要件のもとで売却した場合、相続税額のうち一定額を譲渡所得の計算上の取得費に加算できる特例があります。
相続税が課税されていることや、売却する時期などの要件があります。
売却期限は、相続開始日の翌日から、相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までです。相続税が課税されていることなど、ほかの要件も含めて税理士へ確認する必要があります。
そのため、将来売却する可能性がある場合は、「いつまでに確認・判断する必要があるのか」も含めて税理士へ確認しておきたい制度です。
国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3267.htm
この3つは、目的も要件も期限も同じではありません。
適用できるかどうかは個別事情によって異なるため、この記事だけで判断せず、税理士へ確認してください。
「税理士は相続、不動産会社は売却」と分けすぎない
相続不動産では、それぞれの専門家に役割があります。
税理士は、相続税、譲渡所得税、各特例の適用可能性を確認します。
司法書士は、相続登記の申請や、登記に必要となる書類を確認します。
不動産会社は、想定売却価格、売却方法、売却期間、必要になり得る費用、概算手残り、引渡し条件など、売却面の材料を整理します。
相続人同士で意見の対立がある場合や、法律上の紛争が生じている場合などは、内容に応じて弁護士への相談が必要になることもあります。
大切なのは、専門家の役割を混同しない一方で、それぞれの相談を完全に分断しないことです。
たとえば、不動産の想定売却価格や売却時期が分かれば、税理士へ税制上の特例について相談するときの前提が具体的になります。
将来売却する可能性があることを司法書士へ伝えれば、その前提で相続登記について確認できます。
逆に、税理士から特例の適用可能性や期限について説明を受ければ、それを踏まえて不動産の売却時期を検討できます。
「税理士は相続、不動産会社は売却」と切り離すのではなく、それぞれの確認事項をつないで考えることが重要です。
登記・遺産分割前に確認したいチェックリスト
相続した不動産について、登記や遺産分割を決める前に、次の項目を一度確認してみてください。
☐将来、この不動産を売却する可能性があるか
☐誰が取得する候補になっているか
☐誰かが居住する予定はあるか
☐空き家のままにする、貸すなどの可能性はあるか
☐共有、単独取得、代償分割のどれを検討しているか
☐利用できる可能性のある税制上の特例はあるか
☐特例について、いつまでに何を確認する必要があるか
☐現状で売却した場合の想定価格はいくらか
☐売却にどのような費用が必要になる可能性があるか
☐売却までどの程度の期間を見込むか
☐売却費用を考慮すると、概算でどの程度の手残りになるか
☐税理士、司法書士、不動産会社、必要に応じ弁護士へ何を確認するか
すべてを家族だけで判断する必要はありません。
まず「分からないこと」を整理し、それぞれの専門家へ確認することが大切です。
売却を見越して相続手続きを考える
相続登記が終わってから不動産の売却を相談しても、売却できなくなるわけではありません。
ただ、将来売却する可能性があるなら、登記名義や遺産分割を決める前に、
税制上の特例と期限、誰が取得するか、相続後の利用方法、想定売却価格、費用、期間、概算手残り
を一度つなげて確認しておくことが大切です。
相続登記を遅らせるのではありません。
登記や遺産分割を決める前に、将来の売却まで一度つなげて確認したうえで手続きを進める。
これが、この記事で最もお伝えしたいことです。
家族だけで名義を決める前に、まず「この不動産を将来売却するとしたらどうなるのか」という材料をそろえてみてください。
相続登記・遺産分割前の整理相談について
弊社では、相続した不動産を売却した場合の想定価格、必要になる可能性のある費用、売却方法、期間、概算の手残りを整理しています。
また、相続診断士として相続手続きから不動産売却までの全体的な流れをご説明し、税務や登記、法律上の個別判断は各専門家の分野であることを前提に、税理士や司法書士などへ何を確認すべきかも一緒に整理しています。
まだ売却すると決めていない段階や、相続登記・遺産分割を決める前の整理相談にも対応しています。
相続登記や遺産分割を決める前の不動産整理について、無料でご相談いただけます。
まだ売却すると決めていない段階でも構いません。想定価格、必要になりそうな費用、売却期間、概算の手残りなど、ご家族で検討するための材料を整理いたします。
参考:国税庁
小規模宅地等の特例
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4124.htm
被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm
相続財産を譲渡した場合の取得費加算
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3267.htm
横浜市不動産売却相談窓口
住所:神奈川県横浜市金沢区寺前1-1-26-503
電話番号:045-752-9321
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